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平成28年第1回岐阜県議会議一般質問

平成28年2月定例会 尾藤県議一般質問

「主権者教育について」

議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。

私は去る3月1日に県立高校の卒業式に出席いたしました。

10年ぶりに卒業式に出席し、厳格な式の中で少なからずとも感動を覚えずにはいられませんでした。

それは、ある女子生徒が卒業生代表として答辞を述べる場面でありました。

その一節の中に、「私たちが悩んだとき、つらかったとき、先生は、私たちの目線に立ち、同じ方向を向いて、話を聞いていただきそして相談にのっていただきましたとき、私たちはどれ程救われたことか。一生忘れることはできません。先生、本当にありがとうございました。」 生徒が涙ながらに答辞を述べる姿に、同級生や出席した保護者の方々も、思わず涙ぐんでおられました。

私は、この答辞の姿を見て、これが、正に教育の原点であると思いながら聞き入っておりました。 今、この社会で、どれだけの生徒が悩み、苦しんでいることでしょうか。 そんなときに、授業や部活動などを通じて、真剣に子どもたちと向き合い話を受け止め、子どもと先生たちの絆を築き上げることができるのか。 校長先生をはじめ、先生方の指導がいかに大切であるかを感じずには、いられませんでした。

そうした子どもたちにも、これから、国民の権利である選挙権が付与されることになりました。 将来ある子どもたちに何かあってからでは遅すぎる。主権者の一員としてどうあるべきか、学校当局は責任をもって指導していくことが必要であることは申し上げるまでもありません。

そこで、今回は、主権者教育について、質問させていただきます。

さて、御周知のとおり、選挙年齢を満18歳以上に引き下げる公職選挙法の一部改正が、昨年6月に成立し、今年の夏の参議院議員選挙から適用される運びとなりました。

選挙年齢の変更は、戦後間もなく、25歳以上の男子から現在の20歳以上の男女に変更がなされて以来、実に70年ぶりの大改革と言えます。

ただ、報道によりますと、今回の改正によっても、18歳という年齢では十分判断できず、時期尚早で必ずしも若い世代の政治への関心が高まらないのではないか。 また、教育現場からは、主権者教育のための授業で、「政治的中立性」をどう担保していくのか、戸惑いや不安を感じているとの声も多く聞かれるところであります。

私自身は、教育において、平和的な国家及び社会の形成者として、社会に対する健全な判断力を養い、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し行動していく主権者を育成していくことは、極めて重要であると考えるところであります。

学校教育の現場におきましては、主権者教育の新たな取組みが求められており、他県でも模擬投票や模擬議会などが行われているところであります。 県内でも、報道によれば、岐阜高校や不破高校で関ヶ原の合戦をテーマに模擬投票が実施されたり、また可児高校では生徒有志による「高校生議会」の開催、あるいは、岐阜城北高では、生徒による投票を啓発するオリジナルソングの作成など、選挙年齢が18歳以上になるのを受け、様々な取組みが行われているところであります。

昨年の9月29日には、文部科学省において、公職選挙法改正による選挙権年齢の引下げ等に対応し、総務省との連携により、政治や選挙等に関する高等学校等の生徒向け副教材及び同指導資料を作成し、公表したところであります。

このように、公職選挙法の改正を受け、学校現場や国において、主権者としての意識を高めるための取組みが行われているところですが、私自身は、いささか、懸念を感じている点もございます。

先の副教材において、 「生徒が携帯電話などを活用し、選挙活動を行う中で、生徒が意識せずに公職選挙法で禁止されている行為をする」ことや また、17歳である同じクラスの生徒は一緒に選挙運動を行うことは当然できませんが、「18歳の生徒が17歳の生徒に勧誘を行う」といった行為が紹介されているところであります。

今回の公職選挙法の改正では、18歳以上20歳未満の未成年者が犯した買収など、連座制の対象となる選挙犯罪の事件について、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合には、検察官への送致の決定をしなければならないとされ、成人同様の処罰が科せられる可能性もあるということです。

私自身は、先程、申し上げましたように、より若い世代が政治に関心を持ち、主権者としてより多くの人が投票所に行き、日本の未来の形成に参画していただきたいと思いますが、その一方で、無知により、結果として、最悪の場合、選挙犯罪を犯してしまうこととなり、前途ある子どもたちの未来の芽を摘んでしまうことになりかねないのではないか、非常に懸念するところであります。

そこで、教育長にお尋ねします。

○今回の公職選挙法改正により、新有権者となる生徒に正しいルール等を習得させるため、小学校の段階から高校に至るまで、教育現場において、主権者教育をどのように取り組んでいかれるのか。

○同時に、政治的な教養も含め、制度の面、投票行動における様々な事案などについて、教員に対しても研修などを行っていく必要があると考えますが、どのような取組みを行っていくのか、併せてお尋ねします。

以上をもって私の質問といたします。。


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