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平成29年第5回岐阜県議会における代表質問と答弁

2017/12/05

 

 

尾藤義昭、第1回目の質問

 

県政自民クラブを代表して、県政の諸課題につきまして、通告に従い順次質問させていただきます。


 初めに、今後の行財政運営について四点お伺いいたします。
 まず、来年度の当初予算編成についてであります。
 本県では本年度を「清流の国ぎふ」づくりの全開とし、既に本格展開されている「清流の国ぎふ」づくりを一層深化させるため、本県を支える人づくり、地域の魅力づくり、暮らしの安全・安心を三つの柱とし、攻めの姿勢で施策が展開されているところであります。
 このうち、人づくりに関しては、四月以降、中小企業総合人材確保センターや航空宇宙産業の人材育成を行うモノづくり教育プラザ、さらには就農相談から研修、営農定着までの支援を行うぎふアグリチャレンジ支援センターといった人材の育成・確保の拠点が次々と開所したほか、地域の魅力づくりに関しては、関ケ原古戦場観光の核となるビジターセンターの整備に向けた検討や誘客イベントのほか、ひがしみの歴史街道を核とした東濃地域の周遊観光の促進など、着実に施策が展開されているところであります。
 しかしながら、若者の県外流出や中小企業における人材不足の問題は依然として深刻なほか、増加を続ける社会保障への対応、さらには全国各地で頻発する豪雨災害や、近い将来発生が予想される南海トラフを初めとする大規模地震への対応など、本県の持続的な発展に向け、引き続き注力すべき課題は山積しており、財源に限りがある中においても地方創生の実現に向けた取り組みを強力に進めるため、知事の強いリーダーシップが求められるところであります。
 また、国においては、さきに行われた衆議院議員選挙において、自民党が圧倒的な勝利をおさめたところでありますが、二〇一九年十月に予定される消費増税の財源を活用した教育・保育の無償化のほか、地方大学の活性化等、選挙公約に掲げられていた政策も含め、来年度の予算編成に向けた議論が本格化しており、その動向にも引き続き注視する必要があると考えます。
 そこで、来年度の当初予算においては、どのような点に重点を置き、どのような方針で臨むのか、知事にお伺いいたします。


 次に、今年度の県税収入の見通しと、来年度の県税収入及び地方交付税の交付額の見込みについてお伺いいたします。
 今後も高齢化社会の進展により社会保障経費の増加が避けられないことが見込まれる中、地方創生の取り組みを加速するためには、安定的な財政運営に向け、一般財源総額の確保が極めて重要であります。
 本県の来年度予算案の編成に大きな影響を及ぼす国の来年度当初予算の概算要求では、地方の一般財源総額については今年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされ、前年度とほぼ同額の六十二兆五千億円程度とされているところでございますが、その内訳を見ると、地方交付税が十五兆九千億円と、前年度から四千億円の減となり、一方、国にかわって地方が借金をする臨時財政対策債も五千億円増加されることで収支の均衡を図る形となっているところであります。本県では、臨時財政対策債を含めた県債残高は年々増加しており、平成二十九年度末では過去最高の一兆五千四百九十九億円となることが見込まれておりますが、今後さらに増加することが想定されます。本県の経済情勢は、全体的には緩やかな回復基調にあるものの、本県経済を支える中小企業の多くは依然として厳しい状況にあり、決して楽観視することはできないと考えます。
 そこで、県の予算編成の前提となる一般財源の歳入見通しに関し、今年度の県税収入の見通しと、来年度の県税収入及び地方交付税の交付額の見込みについて、総務部長にお伺いいたします。
 次に、県有施設のあり方についてお伺いいたします。
 県有施設の老朽化対策が全国的な課題となっているところであります。本県が所有する建物は、平成二十六年度末時点で五千六百九十一棟あり、平均築年数は約三十年となっております。このうち建築後五十年を経過した建物は、現在建てかえに向け実施設計が進められている県庁舎を含め約四%にとどまりますが、十年後には約三〇%、二十年後には約六〇%になると見込まれており、大規模改修や再整備に要する経費の増加は本県の今後の財政運営に大きな影響を与えることとなります。
 本格的な人口減少や高齢化社会の到来といった状況を踏まえると、今後の県有施設の管理に当たっては、人口の推移や年齢構成等の変化も見据え、より経営的な視点で施設を総合的にマネジメントしていく必要があり、県議会においても平成二十七年より県有施設再整備対策特別委員会を設置し、議論を進めているところであります。
 また、総務省においては、全国の自治体に公共施設等総合管理計画の策定を働きかけてきましたが、本県では平成二十七年八月に、平成三十六年度までを対象期間とする岐阜県公共施設等総合管理基本方針が取りまとめられたところであります。基本方針では、当面の取り組みとして、個別施設ごとの長寿命化計画を五年以内に策定するほか、中期的には予防保全の考え方を取り入れた維持保全により、建物の使用年数を建築後五十年から六十五年間に延長することなどにより、平成五十年度までに必要と考えられる建物の維持管理や再整備に要する経費の総額について三〇%程度削減するとされております。
 現在、県においては、知事を本部長とする岐阜県公共施設等総合管理推進本部のもと、各施設に係る長寿命化計画の策定が進められていると承知しておりますが、策定に当たっては、予防保全による長寿命化だけではなく、人口減少や行政ニーズの多様化など、社会情勢の変化を見据えながら、そのあり方を検討するべきと考えます。
 そこで、施設に係る長寿命化計画の策定に向けた取り組み状況と、今後の中・長期的な県有施設のあり方について、知事にお伺いいたします。


 次に、「清流の国ぎふ」づくりに向けた意気込みについて河合副知事にお伺いいたします。
 河合副知事におかれましては、前副知事の上手繁雄氏の後任として十二月三日付で副知事に就任されました。
 河合副知事は、一九八二年に入庁されて以来、県政発展のために大変な御尽力をいただいてきたところであります。商工労働分野を中心に幅広い分野で御活躍いただいてきた河合副知事は、上手前副知事と同様、知事や職員からの信頼も極めて厚いと伺っており、私もその人柄のよさを感じているところであります。
 予算編成も本格化している大変な時期に御就任されたわけですが、ぜひとも本県の発展のため、神門副知事とともに古田知事を補佐し、活躍していただくことを心から期待しております。
 そこで、これまでの県職員としての経験を踏まえ、本県が進める「清流の国ぎふ」づくりに向け、副知事としてどのように取り組まれるのか、河合副知事の熱い意気込みをお伺いいたします。
 ここで、第一回目の質問を終わります。

 

 

 

古田知事の答弁

 

まず、二点御質問がございました。
 最初に、来年度の当初予算編成における重点と予算編成方針ということでございます。
 先月十一月の内閣府の月例経済報告を見ますと、景気は緩やかな回復基調が続いているというふうにされておりまして、本県におきましても、景況感の回復を受け、個人消費の緩やかな持ち直しが見られております。
 その一方で、現在、我が国最大の課題とされる少子・高齢化の克服に向けて、人づくり革命と生産性革命を車の両輪とした政策パッケージの策定に向けた作業が国において進められております。これは二〇二〇年までの三年間を集中投資期間と位置づけ、大胆な税制、予算、規制改革など、さまざまな政策を総動員するとともに、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度への改革を目指すというものでございます。さらに、それらの施策の一部の前倒しとして、本年度補正予算も検討されているというふうに承知しております。
 こうした状況のもとで本県の来年度の予算編成を行っていくこととなるわけでありますが、来年度は五年を期間とする清流の国ぎふ創生総合戦略の策定から四年目を迎える年でございます。いよいよ地方創生に向けた取り組みの成果が問われる年になるというふうに考えております。そうしたことから、清流の国づくりを一段と深化させてまいりたいというふうに考えております。このため、これまでの取り組みを着実に進めていくとともに、新たな課題にも柔軟に対応していくことを基本姿勢として、人づくりと生産性向上、東京オリンピック・パラリンピック開催をにらんだ魅力づくりと海外戦略、安全・安心・健康という三つの視点を重視しながら予算編成に取り組んでまいります。
 その現段階での考えの一端を申し述べさせていただきますと、まず、人づくりと生産性向上では、御紹介がございました中小企業総合人材確保センター、あるいはぎふアグリチャレンジ支援センターなどを活用しまして、人材確保・育成機能を一段と強化するほか、先日岐阜市内で開催されましたオール岐阜・企業フェスをさらに充実させ、例えば、他県でも開催することも検討してまいりたいと思っております。
 また、建設業や建築業、林業分野におきましても人材の確保・育成のためのセンターを新たに立ち上げるほか、外国人が活躍できる環境を整備するなど、あらゆる分野できめ細かく人づくり施策を展開してまいります。
 さらには、深刻な人材不足への対応策として、ソフトピアジャパンを核として産学官で構成する岐阜県IoTコンソーシアムの立ち上げや、IAMASを活用した県内企業の新商品・サービスの開発支援のほか、各分野におけるIoTの活用促進や、そのための人材育成など、一人当たりの生産性向上を図る取り組みも進めてまいります。
 次に、世界の注目が集まる2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を、本県の魅力づくり、魅力発信の絶好の機会として捉え、これに向けて攻めの姿勢で取り組んでまいります。このため、スポーツの振興はもちろんでありますが、本県自慢の飛騨牛やアユなどの農畜水産物、美濃焼や刃物といった伝統工芸品、本美濃紙や山・鉾・屋台行事などの世界に誇る遺産に加え、地歌舞伎などの文化芸術活動にさらに磨きをかけてまいります。先ごろは本県の県産木材、スギ、ヒノキをオリンピック・パラリンピックの選手村、ビレッジプラザの建築部材として提供することが決定されました。さらには、来年六月のアジアジュニア陸上競技選手権大会を成功裏に開催するとともに、県内農畜水産物の東京オリンピック・パラリンピックへの提供に向けたGAP、農業生産工程管理の資格でありますが、この取得促進なども加速させてまいります。
 また、来年三月にはリニューアルオープンする岐阜かかみがはら航空宇宙博物館を初め、関ケ原古戦場、ひがしみの歴史街道などを活用した国内外からの観光誘客を進めてまいります。
 さらに、インバウンドが急増し、サラマンカ大学八百周年を迎えるスペイン、本県と友好交流十周年を迎えたモロッコやフランス、杉原千畝氏の御縁で一段と緊密になりつつあるリトアニアを初めとして、各国との国際交流を市町村や民間も組み入れた多層的な地域間交流へと深化させてまいります。
 最後に、安全・安心・健康では、引き続き医療と福祉の連携・充実を初め、子供の貧困対策、障がいのある方の自立・社会参加を支援してまいります。
 また、さらなる消防団員の確保を図るほか、大規模災害に備えたインフラ整備を進めるとともに、リニア中央新幹線や東海環状自動車道西回りルートなどの幹線ネットワークの整備も着実に推進してまいります。
 さらには、2020年に本県で開催する全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックを見据え、健康づくりにも一層力を入れてまいります。このため、具体的には、ミナレク運動による運動習慣の定着や、特定健診・がん検診の受診率向上、食生活の改善策を推進するほか、健康ポイント制度といった県民の自主的な健康づくりにインセンティブを与える仕組みづくりについても検討してまいります。
 以上、るる申し上げましたが、来年度の予算編成に当たりましては、社会保障関係経費の自然増、社会資本の老朽化対策など、構造的に経費が増嵩する財政上の課題を抱える中ではございますが、持続的な財政運営に意を用いながら、こうした重要な政策課題にしっかりと対応できるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、県有施設に係る長寿命化計画の策定に向けた取り組み状況と中・長期的なあり方ということでお尋ねがございました。
 ちょうど高度成長期に整備されました県有施設の多くが、今後、更新を検討する時期を迎えるわけでございます。具体的には、平成二十八年度末時点において築五十年以上を経過した建物は全体の八%でございますが、十年後には三六%、二十年後にはさらに五八%にまで増加することが見込まれております。このため、今後、大規模な改修や建てかえなどのために必要な経費が急速に増加していくことが想定されます。
 こうした中、平成二十七年八月に策定いたしました岐阜県公共施設等総合管理基本方針に基づきまして、現在、個々の施設ごとの具体的な対応方針を示す個別施設計画の策定を進めているところでございます。具体的には、延べ面積五百平米以上の建物を基本に、全体の約九割を占める二百六施設、七百一棟を対象とした個別計画にしたいというふうに考えております。その上で、これらの建物一つ一つについて、六十五年間使用することを原則としつつ、維持管理コストや建物に求められる機能の変化等を勘案し、ふぐあいが生ずる前に修繕や更新を行う予防保全により対応するのか、建てかえにより対応するのか、さらには再整備に当たって複数の施設を複合化するのかなどについて選択しながら、財政負担が平準化されるよう各年度に実施する対策を検討しております。例えば、県立高校につきましては、昭和三十年代に建築され老朽化が進んでおります十三校につきまして、今後、各年度二校程度建てかえていくことを検討しております。
 この個別施設計画につきましては、来週開催予定の県有施設再整備対策特別委員会におきまして、県としての素案の概要を御説明させていただきたいと思っております。さらにはパブリックコメントを行い、広く県民の皆様の御意見も伺いながら、本年度中の個別計画の策定を目指してまいります。そして、全庁的な推進施設として昨年度立ち上げました公共施設等総合管理推進本部におきまして、今後、各年度の進捗をフォローアップしてまいります。
 あわせて、県民ニーズや市町村の御意見を伺いながら、必要な場合には各施設のあり方や対策内容を見直すなど、柔軟に施設マネジメントに取り組んでまいります。
 

 

坂口和家男総務部長の答弁

 

先生から二点御質問を頂戴しました。
 まず、今年度の県税収入の見通しについてお答えをいたします。
 現時点における県税収入の主な動きを申し上げますと、昨年秋口までの円高などの影響を受けた企業を中心に、企業収益が押し下げられたことによりまして、法人事業税が前年同月実績よりも減収となって推移しております。一方、昨今の景況感の回復を受けまして、個人消費が緩やかに持ち直したことなどを背景にいたしまして地方消費税が増収となっておりまして、県税収入全体といたしましては、おおむね前年度並みで推移をいたしております。
 今後の見通しにつきましては、十一月の内閣府の月例経済報告によれば、景気は緩やかな回復基調が続いているとされる一方で、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があると指摘されているなど不確実な部分もございますので、引き続き経済情勢、企業業績の動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、来年度の県税収入及び地方交付税の交付額の見込みについてお答えをいたします。
 県税収入につきましては、平成二十九年度の最終的な税収見込みをもとに、政府による経済見通し、県内企業の業績動向といった経済状況などを踏まえながら現在作業を進めているところでございます。
 また、地方交付税を含む一般財源総額につきましては、先生の御質問にもございましたとおり、八月に総務省が示した地方財政収支の仮試算によれば、実質的に前年度と同水準を確保するとされておりますが、具体的な地方交付税の額については、今後の予算編成過程において調整をされていくことになります。
 したがいまして、今後も国の動向を注視するとともに、地方の一般財源総額の確保について国に働きかけてまいりたいと考えております。
◎副知事(河合孝憲君) 「清流の国ぎふ」づくりに向けた副知事としての意気込みとのお尋ねでございました。
 現在、岐阜県は、「清流の国ぎふ」づくりの全開に向け、「清流の国ぎふ」を支える人づくり、地域の魅力づくり、そして、県民の安全・安心づくりの三つの大きな柱立てのもと、県民の皆様の御意見を踏まえながら、さまざまな施策に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 そして、中小企業を初め、さまざまな分野での人材の確保・育成、観光や県産品・農産物の海外への展開、交通インフラや防災体制の整備拡充など、着実にその成果が上がっているものと認識いたしております。
 まずは、そのさらなるステップアップに向けまして、微力ではございますが、引き続き知事を全力で支えていく所存でございます。
 また、私は、入庁以来、商工労働部を初めさまざま業務に携わってまいりましたが、岐阜県の持つ魅力や底力、パワーを県内外の多くの方々に知ってもらい、体感していただきたいと常々思ってまいりました。岐阜県には清流がもたらした豊かな自然や文化、歴史、伝統、技術がございます。こうしたポテンシャルをさらに一層磨き上げて発信していき、岐阜県のブランド力を総合的に高めていくことに意を配してまいりたいと考えております。
 また、その一方で、現在は新年度に向けた予算編成、人事、組織協議の真っただ中にございます。また、さきに策定をいたしました事務事業の見直し方針を着実に実行に移していかなければなりません。当面は、これらの業務を最優先にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 種々申し上げましたが、これらの実行に当たりましては、県議会はもとより、県民の皆様の御意見をしっかりと受けとめ、そしてまた職員が高いモチベーションを保ちながら、オール県庁、オール岐阜で進めていく必要がございます。これらの実現に向け、誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。

 

 

 

尾藤義昭第2回目の質問

 

続きまして、活力あふれる地域づくりについて五点をお伺いいたしたいと思います。
 まず、アジアジュニア陸上競技選手権大会についてであります。
 来年六月、我が国で初開催となる第十八回アジアジュニア陸上競技選手権大会が本県で開催されることが決定いたしました。大規模スポーツイベントの誘致に取り組む本県としては、大変喜ばしい出来事であります。
 この大会は、来年六月七日から十日までの四日間、長良川競技場において開催され、アジア陸連に加盟する最大四十五の国や地域の十六歳から十九歳までの若き選手たち、将来オリンピックでの活躍が期待されるアスリートたちが男女とも二十二の種目で競うものであります。大会期間中は代表選手や監督ら約千人が来県されるため、アジア各国に本県をPRするとともに、県民のスポーツへの関心や意欲を高め、競技力の向上につなげる絶好のチャンスであると考えます。
 本年七月には第一回組織・実行委員会が開催され、日本陸上競技連盟の横川会長が組織委員会会長へ就任するとともに、古田知事も組織委員会副会長として御就任されたほか、あわせて、大会要項の承認や大会エンブレムの発表も行われたところであります。また、これを受け、県においては、八月一日から大会推進室が設置され、開催に向けた準備・取り組みが進められているところであります。
 陸上競技と言えば、本年九月、福井県で開催された日本学生陸上競技対校選手権大会男子百メートルにおいて、桐生選手が日本人で初めての九秒台となる九秒九八の記録を出したことや、昨年開催されたリオオリンピック男子四掛ける百メートルのリレーにおいて日本代表チームが銀メダルを獲得するなど、全国的に注目が高まっておりますが、一方で、今回の大会への認知度不足やジュニア選手に対する知名度不足などにより、国内、あるいは県内における盛り上がりや大会機運の高まりが乏しいということも実感しております。
 そこで、我が国で初開催となるこの大会を、県としてどのような大会としていくのか、また、開催まで残り半年余りとなりましたが、大会の盛り上げについてどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。


 次に、中小企業の技術力強化に向けた支援についてお伺いいたします。
 本県の産業構造を見ると、製造業の割合が県内総生産額の約四分の一を占め、全国と比較してもその割合が高いほか、従業者数で見ても全体の約四分の一を製造業が占めており、本県はモノづくり県ということができると考えられます。
 また、県内事業所を規模別に見ると、製造業では資本金三億円以下または従業員三百人以下が中小企業と定義されているところですが、本県では全体の約九九%が中小企業に位置づけられることになり、地域経済を支える中小製造業への支援充実は大変重要なテーマであります。
 県内の経済情勢を見ると、岐阜財務事務所が発表した十月の県内経済情勢によれば、明るい情勢も見られるところですが、全体的には国内市場の縮小といった流れがあるほか、資金・人材面でも、もともと不利な状況にある点などを考慮すると、県内中小企業が今後の厳しい競争に勝ち抜いていくためには新分野にチャレンジするための技術開発に向けた取り組みが不可欠であり、県による充実した支援が求められるところであります。
 県は、平成二十九年三月に改訂した成長・雇用戦略二〇一七の中で企業技術力強化支援プロジェクトを八つの重点プロジェクトの中に位置づけ、取り組みを進めているところであります。この技術力強化支援プロジェクトでは、新たなモノづくり拠点の整備など、工業系試験研究機関の再編・集約により支援機能の強化を図ることとしており、また、新たなモノづくり拠点の整備については、関市の工業技術研究所に、現在、笠松町と美濃市に機能分散している産業技術センターと、各務原市の情報技術研究所の機能を集約するものとされております。
 そこで、県経済を支える中小企業の活性化なくして成長・雇用戦略の実現はないと考えますが、関市に集約される新たな工業技術研究所への期待と、今後の中小企業の技術力強化に向けた支援の方針について、商工労働部長にお伺いいたします。


 次に、後世に受け継ぐべき地域遺産を活用した取り組みについて二点をお伺いいたします。
 まず、杉原千畝氏の偉業を活用した今後の取り組みについてであります。
 本県には、一九九五年にユネスコ世界文化遺産に登録された「白川郷合掌造り集落」を初め、ユネスコ無形文化遺産である大垣・高山・古川の「山・鉾・屋台行事」、FAO、世界農業遺産である「清流長良川の鮎」など世界に誇る遺産が多く存在しております。
 その中で、昨年五月、八百津町が新たな世界遺産として、第二次世界大戦中にユダヤ難民に対して、人道主義・博愛精神に基づき、大量の日本通過ビザを発給し、多くのとうとい人命を救った本県出身の外交官、杉原千畝氏のビザの発給記録等、いわゆる杉原リストの世界の記憶への登録について、ユネスコへ申請されました。知事みずからも本年九月、トップセールスで訪問したリトアニアにおいて功績に関する基調講演を行うなど、県挙げて登録に向けた支援を進めてこられましたが、十月末に行われた審査の結果、登録が見送られることになったのは大変残念なことでありました。審査の過程が非公開であるため、見送られた理由は定かではありませんが、申請に至るまでには関係者の並々ならぬ御苦労・御努力があり、その果実は今後の杉原千畝氏の顕彰に大きく貢献するものと確信しているところであります。
 県としては、これまでの取り組みを生かし、杉原千畝の偉大な功績を本県の誇るべき遺産として広く内外に語り伝える取り組みを引き続き進めていくべきと考えます。
 そこで、郷土の偉人である杉原千畝氏のさらなる顕彰や、それを生かした今後の取り組みについて、知事にお伺いいたします。


 次に、県産アユの販路拡大についてお伺いいたします。
 世界農業遺産「清流長良川の鮎」の認定以降、アユの販路拡大に向けたPRについては、平成二十八年から設けられた「GIAHS鮎の日」におけるさまざまイベントや、海外でのトップセールスの場におけるPRなど、積極的に取り組んでいただいており、昨年七月にはタイに初めて天然アユの輸出が行われるなどの成果もあらわれておりますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据え、会場における食材としての提供も含め、国内での販路拡大に向けた取り組みも一層強化すべきと考えております。
 特にオリンピック・パラリンピックへの食材提供については、本年五月に設置された岐阜県東京オリ・パラ県産農畜水産物利用促進協議会において、飛騨牛や枝豆とともにアユも利用促進に取り組む食材に選定されており、今後、食材として提供する際の条件とされている水産エコラベルの認証取得に向けた取り組みが進んでいくとともに、大いに期待をしているところであります。また、県外だけでなく、県産アユが県内の家庭の食卓にごく普通に並ぶよう、県内消費の拡大も重要と考えております。
 そこで、東京オリンピック・パラリンピックも見据えた今後の県産アユの国内での販路拡大に向けた取り組みについて、農政部長にお伺いいたします。


 次に、土木・建築分野における人材育成の確保についてお伺いいたします。
 有効求人倍率が高どまりする中、さまざまな分野において人材不足が深刻な課題となっており、県においては、この課題への対応を地方創生に向けた取り組みの柱と位置づけ、学生のUターン促進に向けた奨学金制度を初め、中小企業総合人材確保センターやぎふアグリチャレンジセンターの開設など、積極的な取り組みが進められているところであります。
 人材不足の背景には、少子・高齢化の進展のほか、若者の人口流出により、働き手が分野を問わず絶対的に不足している事情がありますが、土木・建築分野においては特に深刻な状況となっており、本県において、建築分野では、二〇〇一年度に千九百八十六軒あった建築士事務所が昨年度は千六百十四軒にまで減少したほか、建設業は、二〇一五年時点で八万五百人を数える就労者について、年齢構成を見ると、六十歳以上は二六%である一方、二十九歳以下は一〇%と、現場での技能伝承への支障も懸念されているといった問題も指摘されているところであります。
 土木・建築分野については職場環境のイメージも影響しているとの見方もされておりますが、県では、この分野についても、建設業の現場見学会のほか、建築分野では、関係団体や工業高校の参画を得て建築担い手育成協議会が設置されるなど、人材の育成・確保に向けた取り組みが進められているところであります。
 そうした中、さきの議会では、知事から来年度に向け、土木・建築分野における人材の育成・確保を進めるため、センターの設置を検討しているとの答弁もあったところであり、大いに期待をしておりますが、今後の公共インフラの整備だけでなく、その長寿命化に向けた補修、さらには災害発生時に復旧活動における重要な役割等、まさに地域経済の屋台骨を支える土木・建築分野の人材育成は、さまざまな分野における人材不足の中でも待ったなしの課題と言えます。
 そこで、土木・建築分野における今後の人材育成・確保に向けた取り組みについて、県土整備部長、都市建築部長にお伺いをいたしたいと思います。
 ここで、第二回目の質問を終わります。

 

 

古田知事の答弁

 

 まず、アジアジュニア陸上競技選手権大会についてでございますが、尾藤議員におかれましては、岐阜陸上競技協会の会長として、また、遠慮して質問の中ではお触れになりませんでしたが、本大会の組織委員会の副会長として大いに御尽力をいただいております。引き続きよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 この大会は、世界レベルの大会への出場を目指す十九歳以下のジュニアの選手が一堂に会するアジア最高峰の陸上競技大会であり、来年で十八回目、我が国では初の開催ということでございます。出場選手は四月下旬に決定されますが、日本国内からは、アンダー20・アンダー18日本陸上競技選手権大会や、国体、インターハイなどで活躍する選手たちが出場し、また同じくアジアからも各国・地域のジュニア世代を代表する選手が出場いたします。過去には、北京オリンピック四掛ける百メートルリレーで銀メダルを獲得した朝原宣治さん、末續慎吾さん、アテネからリオデジャネイロまで四大会連続でオリンピックに出場している福士加代子さんといったそうそうたる方々がこの大会に出場し、これをステップとして活躍しておられます。いわば二年後の東京オリンピックへの登竜門というふうに位置づけられる大会でございます。こうした価値ある大会の見どころを、さまざまな機会を通じて県民の皆様へしっかりと伝えてまいりたいと思っております。
 さらに本県としては、この大会に選手たちと同世代である中・高校生、大学生を初め、多くの県民の皆さんに、いわば総参加でさまざまな形でかかわっていただきたいというふうに思っております。そして、この大会をスポーツ立県ぎふを進める大会であると同時に、「清流の国ぎふ」を広くアジアに発信する大会、アジア各国との国際交流を深める大会としていきたいというふうに思っております。例えば、県内の全市町村の皆さんの手書きにより、アジア各国の言葉で作成する応援メッセージボードを掲げるとともに、県民の皆さんの応援メッセージ映像を制作いたします。さらに、県内の小・中・高校に、それぞれ大会に出場する各国の応援校となっていただき、応援横断幕の制作や競技場での応援を行っていただくことを計画しております。
 また、県内高校の陸上部員には競技の補助員として大会運営にかかわっていただくとともに、県内高校の英会話クラブや国際交流に関心の高い生徒にはアテンダントとして、おもてなしや案内業務を担っていただきたいと思っております。
 大会開催の機運を高めるための取り組みとしては、百日前となる二月二十七日に県庁においてカウントダウンボードの除幕式を実施するとともに、三月三日には、大会会場となる岐阜メモリアルセンターにおいて、著名アスリートをお迎えして、陸上教室やトークショーなどのスタートアップイベントを開催する予定でございます。また、県内各圏域においても順次、同様のPRイベントを開催していきたいと考えております。
 次に、杉原千畝氏の偉業を活用した今後の取り組みということでございます。
 県としても積極的に応援してまいりました八百津町による杉原リストのユネスコ世界の記憶登録申請につきましては、まことに残念な結果となりました。しかしながら、大量難民や民族紛争、無差別テロといった人の命や平和を脅かす事態が世界中で急速に広がっている中、今こそ杉原千畝の人道精神に学び、その功績を後世に受け継いでいくことが大切だと考えております。
 一昨年、世界の記憶に名乗りを上げたことが契機となり、杉原千畝氏の功績を顕彰しようとする動きは世界的な広がりを見せております。例えば、世界中の杉原ビザ生存者、サバイバーやその子孫の方々から八百津町に、今回の申請に当たって四十六通もの貴重なビザの提供の申し出が寄せられております。また、八百津町で一九九二年から杉原千畝氏の命日に合わせて毎年開催されております杉原ウイークを中心に、海外からも多くの参加者がお出でになっておられます。
 そして、リトアニアにおきましても、本年九月、領事館があったカウナス市で初めてスギハラウイークが開催されました。このカウナス市でのスギハラウイークでは、杉原千畝の足跡をめぐる杉原千畝ルートが設定されるとともに、日本の壁塗りボランティアによるリトアニア杉原記念館の修復、八百津町とカウナス市の子供の交流、リトアニアの音楽団と岐阜県の合唱団との共演など、多彩な交流の輪が広がりました。私もこのスギハラウイークで基調講演をさせていただきました。こうした交流をオール岐阜で一層拡大していくため、今月末には岐阜・リトアニア友好協会を設立することとしております。これにより、市町村や民間による一段と多層的な交流を進めてまいります。
 あわせて、杉原千畝氏の偉業とリトアニアについて広く県民の皆さんに知っていただくため、来月には、杉原千畝氏をテーマにしたオペラ公演、あるいはリトアニア紹介展を開催する予定でございます。さらには、リトアニア独立百周年となる来年には、大々的にリトアニアを紹介するリトアニアNOWといったイベントの県内開催を検討しております。
 こうした顕彰や交流の動きは、海外からの誘客の拡大へも着実につながってきております。例えば、杉原千畝の通った中学校のある名古屋市、記念館のある八百津町から日本屈指の観光地、飛騨高山、世界文化遺産の白川郷を経由し、命のビザを持った方々の上陸地である敦賀市へ抜ける杉原千畝ルート、別名「人道ルート」が誕生いたしました。これにより、高山市では、昨年一年間でイスラエルからの宿泊客数が一万人を超えるなど、注目を集めております。今後は、世界中からさらに多くの方に杉原千畝ゆかりの本県を訪れていただくための取り組みを本格的に進めてまいります。
 このため、先月末には、杉原ビザの生存者、サバイバーやその子孫の方々が多く住むアメリカやイスラエルからユダヤ系の主要メディアの記者をお招きし、八百津町を初めとする人道ルートや県内観光地を取材していただきました。記者の方々からは、杉原さんの功績を世界の人々に広く知ってもらい、岐阜県を訪問してもらえるよう全面協力するとの心強い言葉をいただきました。今後、現地の有力紙などで杉原千畝の功績や本県の魅力が世界に向けて発信されることが期待されます。
 さらに、今月から、ニューヨークとロサンゼルスに、杉原千畝ゆかりの本県への問い合わせに対応する専用のインフォメーションセンターを設置したところでございます。こうしたことを通じて、強力に誘客を進めてまいります。

 

 

 

井川孝明商工労働部長の答弁

 

新たな工業技術研究所への期待と中小企業の技術力強化に向けた支援の方針についてお答えします。
 再来年六月の開所に向けて整備を進めているモノづくり拠点は、これまで機械加工、金属、化学、情報など業種別に分散配置されていた各試験研究機関を関市の工業技術研究所に統合することで、各分野専門の研究員が連携し、高度化・複雑化する企業ニーズにワンストップで対応する体制を構築するものです。ここでは、大学・企業との共同研究や人材交流を図ることで、航空機や自動車分野で利用が見込まれる複合材料の開発など、企業の新技術・新製品開発をこれまで以上に強力に支援することとしており、モノづくり拠点が県内産業の成長・発展に先導的な役割を果たすものと期待しております。
 加えて、成長産業人材育成センターでの先端技術研修の拡充や、ソフトピアジャパンでのIoT等を活用した生産性向上や技術革新の支援など、中小企業の技術力強化に向けて総合的な支援を行ってまいります。

 


熊崎政之農政部長の答弁 

 

県産アユの国内での販路拡大に向けた取り組みについてお答えします。
 まず、東京オリンピック・パラリンピックに向けては、水産エコラベルを本年度末までに取得できるよう、現在、漁協や養殖業者に対し、認証基準に適合した管理手法の指導とあわせ、選別機や冷凍庫などの機器導入への支援を行っています。今後、首都圏で県産農畜水産物の試食会を開催し、大会関係者などへ県産アユを売り込んでまいります。
 一方、国内の販路拡大には、消費者の方々にアユの魅力を伝え、家庭やレストランで消費を拡大していくことが重要であると考えております。このため、家庭向けには、本年六月に東海地域を中心に、大規模小売店七十一店舗の協力を得て販売時に手軽な料理レシピを紹介し、県産養殖アユの購入を促す販売フェアを開催いたしました。また、レストラン向けには、本年七月に名古屋市内の和食、中華、イタリアンの高級レストラン四店舗で県産天然アユを使ったメニューフェアを開催し、現在ではアユ料理が定番化されたところです。今後は、一流シェフや親子による料理コンテストを開催するなど、食材としてのアユの魅力を幅広い世代にアピールしてまいります。

 

 

宗宮裕雄県土整備部長の答弁

 

土木分野における人材の育成・確保に向けた取り組みについてお答えします。
 建設業は社会基盤の維持管理や地域防災のかなめとして重要な役割を担っていますが、その就労者数は、現在の約八万人から、高齢化に伴う大量の離職などにより、二〇四五年には約六万人に減少すると推計されるなど、人材の育成・確保は喫緊の課題であります。
 このため、今年度から新たにぎふ建設人材育成リーディング企業認定制度を設け、百五社を認定し、労働環境の改善や生産性の向上、人材育成などに積極的に取り組む企業を支援していくこととしています。
 また、来年度に向け、これまで県や各関係団体がそれぞれに実施してきた人材育成や確保対策について、産学官が一体となった組織を設置し、加えて、即戦力となる人材の育成を行う初任者研修や、建設現場における生産性向上につながるICT技術などを習得できる研修センターの設置に向け、検討を進めてまいります。

 

酒向仁恒都市建築部長の答弁


建築分野における人材の育成・確保に向けた取り組みについてお答えいたします。
 建築、電気設備、機械設備の設計及び施工分野においても高齢化が進行するとともに、若年入職者が減少しており、次世代への技術承継が大きな課題となっております。
 そこで、産学官が一体となって、建築・設備分野の人材確保・育成を進めるため、本年六月に、関係業界団体、教育機関及び行政から成る岐阜県建築担い手育成協議会を設立し、建築業の魅力発信、活躍できる人材育成、担い手確保の三本柱を活動方針として定め、課題解決に向け取り組んでいるところです。
 来年度は、建築分野における人材確保・育成のための拠点を新たに設置するとともに、情報発信、現場見学会、就職相談会、資格取得に向けた研修に加え、建築分野は女性の割合が高いことから、女性をターゲットとした取り組みなど、さまざまな事業を検討してまいります。また、関係業界団体が個々に行ってきた担い手育成事業の協働化を図るなど、より効果的な取り組みを進めることで、地域社会を支える担い手づくりのさらなる推進を図ってまいります。

 

 

 

尾藤義昭第3回目の質問

 

次に、安全・安心な暮らしの確保について七点お伺いいたします。


 まず、住宅の耐震化に向けた取り組みについてであります。
 近年、平成二十三年の東日本大震災や昨年の熊本地震など、全国各地で大規模な地震が発生し、甚大な被害が生じておりますが、幸いにして本県では、昭和四十四年九月に発生し、当時の郡上郡・益田郡を中心に震度五・当時を記録した美濃中部地震以降、震度五以上の地震を経験しておりません。しかしながら、南海トラフ地震のほか、県内に約百カ所ある活断層が引き起こす直下型地震の発生も懸念されており、いつか訪れる、いざというときのために万全の備えが必要であることは言うまでもありません。
 県では、熊本地震を受けて行った検証を踏まえ、応急対策用資機材の備蓄拠点の整備、国や近隣自治体などからの物資や人員の受け入れ体制の見直し等の取り組みが強力に進められているほか、国、市町村のほか関係団体と連携した訓練も定期的に実施されており、大変心強く感じているところであります。
 しかし、熊本地震では、震度七が二度発生するという誰もが想定していなかったことが現実に発生し、家屋の倒壊により多くの方が犠牲になったことを踏まえると、住宅の耐震化は大変重要な課題であると考えます。もちろん県においてもこの問題は熊本地震の検証で取り上げており、国の予算も活用し、耐震改修だけでなく、耐震診断に対しても市町村と連携し補助を行っているところではありますが、耐震改修の補助実績を見ると、東日本大震災の発生から間もない平成二十五年度は二百七十四件でありましたが、二十六年度以降は百五十件程度にとどまっているところであります。
 本県における住宅の耐震化率は、平成二十五年時点で七八%と全国平均の八二%を下回っており、岐阜県強靱化計画アクションプランに掲げる平成三十二年までに九五%という目標を達成し、地震発生時の被害を少しでも軽減するには、市町村ともこれまで以上に連携し、県民への働きかけを強化するとともに、さらなる支援策の拡充も検討していただきたいと考えております。
 そこで、住宅の耐震化促進に向けた取り組みの状況と今後の取り組みについて、都市建築部長にお伺いいたします。


 続きまして、新たな国民健康保険制度への対応について二点お伺いいたします。
 まず、国民健康保険事業費納付金の算定に当たっての考え方についてであります。
 国民健康保険については、平成二十七年の国民健康保険法の改正を受け、県は来年度から国保財政の運営責任を担うこととなっております。
 県においては、これまで被保険者や医療機関の代表などを構成員とする運営協議会のもと、国民健康保険事業費納付金の算定方法などの検討を進めてこられましたが、十一月に開催された運営協議会での答申を踏まえ、今議会に岐阜県国民健康保険法施行条例の案が提出されているところであります。
 新たな国保制度については、新制度への移行を機に、現在は市町村ごとに異なる保険料の水準を統一すべきとの意見がある一方、市町村間で受けている医療サービスに差がある現状において、医療費水準を反映させずに保険料水準の統一を図ることは、受益と負担の観点から、公平性が損なわれるといった懸念の声もあると承知しております。
 運営協議会の答申を受け、今回の条例案では、市町村が県に納める国民健康保険事業費納付金を算定するに当たり、各市町村の医療費水準を反映させることとなっております。県内で必要となる保険給付費を全ての市町村で負担し合うという制度改正の趣旨に鑑みれば、医療費水準の格差を反映せず、統一した保険料水準とすることが望ましいものの、市町村間の医療費水準に格差が現実に生じている以上、直ちに医療費水準の格差を反映させないとするには問題があります。
 このため、当面の国民健康保険事業費納付金の算定に当たって、医療費水準を反映させていくことは妥当であり、賛同するものでありますが、運営協議会における議論の経過を含め、医療費水準を反映させることとした考え方について明らかにするべきと考えます。
 そこで、岐阜県国民健康保険法施行条例案における国民健康保険事業費納付金の算定に当たっての各市町村の医療費水準の反映の考え方について、知事にお伺いいたします。
 次に、医療費の適正化に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 高齢化が進展する中、本県においても例に漏れず医療費は増加傾向にあり、平成二十七年には六千二百九十億円と、五年前に比べ一二%以上の増加となっております。今後の国保財政を安定的に運営するためには、歳出の伸びをいかに抑えるかが重要な課題であることは言うまでもなく、県としては、財政運営の責任主体として、医療費の適正化に向け、これまで以上に注力していく必要があります。
 現在、県においては、第二期岐阜県医療費適正化計画のもと、生活習慣病予防のための健康づくり、効率的な医療提供体制の確保を施策の二本柱とし、特定健康診査の受診や喫煙対策を含めた生活習慣の改善といった県民への啓発から、医療機関の役割分担と連携や医療・介護人材の育成・確保に至るまで、多岐にわたって取り組みが進められているところであります。
 第二期岐阜県医療費適正化計画は平成二十五年から今年度までが計画期間とされており、本県医療の総合的な指針である第六期岐阜県保健医療計画とともに、今年度、新たな計画の策定に向けた検討が進められていると承知しておりますが、これまでの取り組みを丁寧に振り返った上で、医療費の適正化に向けた検討を進めていただきたいと考えます。
 しかしながら、医療費の適正化と一口に言っても、広大な県土を有する本県では、都市部と中山間地域の間では、医師の地域偏在の問題も含め、医療の提供体制も大きく異なるといった事情もあるため、新たな計画の策定に当たっては、地域ごとに現状分析と課題整理を行った上で、医療関係者や企業とも十分連携し、それぞれの実情に応じた対策を講じていく視点が重要と考えます。
 一方、医療の地域間格差の解消や高度医療の充実は誰もが望むところではありますが、これらは医療費の増加要因となり得るものであることも踏まえると、医療費適正化は単純な課題ではなく、新たな計画において、こうした現状をどのようにバランスよくまとめていくかという点についても気になるところであります。
 そこで、第二期岐阜県医療費適正化計画に基づくこれまでの取り組みに対する評価と課題及び今後の医療費適正化に向けた取り組み方針について、健康福祉部長にお伺いをいたします。
 次に、障がい者に対する積極的な県政情報の提供についてお伺いいたします。
 県では現在、平成二十七年度から今年度までを計画期間とする障がい者総合支援プランに基づき、安心して暮らせる社会づくりや社会参加への促進、質の高い保健医療提供体制の構築など、幅広く取り組みを進めているところであります。
 特にハード整備に関しては、身体・知的・精神障がいに関する相談・支援機能を集約した岐阜県障がい者総合相談センターや、医療と福祉が一体となった障がい児支援の拠点となる県立希望が丘こども医療福祉センターなど、鷺山エリアの再整備が着実に進み、成果も目に見えているところであります。
 障がい者支援については、近年、法制度の面でも進展が見られており、平成二十八年四月には障害者差別解消法が施行されたほか、本県議会でも、平成二十八年第一回定例会において、議員提案による岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例が制定され、四月から施行されているところであります。
 また、県議会では、現在、手話や点字といった障がい者の意思疎通手段に対する理解や利用環境の整備など、一層の普及促進を目指し、条例制定を検討する動きもあるほか、議会活性化改革検討委員会では、県議会中継への手話通訳の導入が検討されるなど、障がいのある方に対する情報提供の充実に向け、さまざまな検討が進められているところであります。
 障がいのある方への県政情報の提供については、県においても、県広報の点字版・音声版の配付や県ホームページの利便性向上といった取り組みが進められてはおりますが、一方、他県を見てみると、例えば手話に関しては、鳥取県、山形県に続き、三重県が本年四月からの手話言語条例の施行に先立ち、二月から知事の定例記者会見に手話通訳を導入するなどの取り組みも見られるところであり、今後も県政情報の提供に関するバリアフリー化の一層の促進に向け、尽力をいただきたいところであります。
 さきに申し上げたとおり、障がい者総合支援プランは今年度が計画期間の最終年度であり、障がい者の方々にしっかり寄り添い、充実した取り組みを新たなプランへ反映していただきたいと願っております。
 そこで、障がい者、とりわけ情報の伝達・取得にハンディがある視覚及び聴覚障がい者への県政情報の提供に関する今後の取り組み方針について、知事にお伺いをいたしたいと思います。


 次に、子育て支援の取り組みについて二点お伺いいたします。
 子供は国の宝と昔から言われていますが、現在は人口減少に歯どめがかからず、その対策は国や地方自治体の緊急かつ重要な課題となっております。この課題に対しては、あらゆる角度から立ち向かっていく必要がありますが、重要な柱となるのは、とりもなおさず子育て支援であり、国民・県民が安心して子供を産み育てる環境を整えることが急務であります。
 そのような中、子供が保育所や幼稚園に通うころになると、保護者、特に母親も働く時期になり、母親に対して安心して働ける場の提供が必要となります。しかしながら、現状は必ずしも保護者にとって安心して働ける状況にはなっていないと感じております。問題は、保育所に対する通達の不徹底にあるのではないかと考えます。
 厚生労働省が定めた保育所における感染症対策ガイドラインによると、発熱時の対応として例が挙げられております。一つには、登園を控えるのが望ましい場合として、朝から三十七度五分を超えた熱とともに元気がなく機嫌が悪いとあり、二つ目には、保護者への連絡が望ましい場合として、三十八度以上の発熱があるとあり、三つ目には、保育が可能な場合として、熱が三十七度五分以下で元気があり機嫌がよいと記されております。ところが、現実に目を向けると、保育が可能な場合とされている熱が三十七度五分でも、保育所から無条件にすぐに迎えに来ていただきたい旨の電話が入る。これは、保育所側が万が一の責任問題を念頭に置いているためではないでしょうか。
 しかしながら、同じ三十七度五分でも熱に強い子もいれば弱い子もいるわけですから、保育所が心配して連絡していただくのは当然ではあろうかと思いますが、すぐに迎えに行くか行かないかの最終判断は保護者が行うべきものと考えております。もし保育所が不安感を持たれるならば、入園の際に保護者と誓約書を交わし、最終判断は保護者が責任を持って下すという明確な基準を設けておくのも一つの解決策であると考えます。保育が可能とされている場合でも、無条件に迎えに行かざるを得ない現実は、保護者にとって負担となるばかりでなく、雇用者側にとっても安心して働いてもらいにくくなるとの印象を与え、ひいては雇用しにくいという考えが定着しかねません。したがって、厚生労働省のガイドラインに従った運用が保育の現場で徹底されるよう、県から各市町村に指導していただくことを強く望むところであります。
 本県では人口減少社会へ立ち向かうため地方創生に取り組んでおり、特に子育て支援に関しては待機児童問題等、成果を上げてきました。しかし、病児保育の取り組みは依然としておくれており、今回取り上げているガイドラインの不徹底の問題も、保育所に本来の原因があるのではなく、発熱時に迎えに行けない保護者の子供を保育できる施設があれば、保護者は通常の勤務ができることとなるわけであります。すなわち、原因は病児保育施設の整備が不十分なところにあると考えており、各市町村において積極的な取り組みが進められるよう、県として強力に支援いただきたいと考えております。
 そこで、保育所における感染症対策ガイドラインの市町村への周知に向けた取り組みについて、子ども・女性局長にお伺いをいたします。
 また、病児保育の充実に向けた今後の取り組み方針については、知事にお伺いをいたしたいと思います。


 次に、東海北陸自動車道のトンネル内の交通規制についてをお伺いいたします。
 県内には、日本の東西を結ぶ名神高速道路、中部地方を南北に結ぶ東海北陸自動車道など、総延長距離三百二十キロに及ぶ高速道路網が整備されております。これらの高速道路は、東海環状自動車道西回りルートのさらなる延伸や、東海北陸自動車道の白鳥インターチェンジから飛騨清見インターチェンジ間では四車線化工事も進められているなど、利便性がさらに向上しつつあり、本県の経済発展に欠かせない幹線道路として重要な役割を果たしているところであります。
 このうち、東海北陸自動車道は、山間地を貫く道路という特性から、大小合わせて五十を超えるトンネルがありますが、県内延長約百四十二キロメートルのうち、実に四〇%以上に当たる約五十七キロメートルがトンネル区間となっております。そのため、トンネル区間の安全対策による交通事故抑止対策が課題となっているところですが、その対策の一つとして、各務原インターチェンジから関インターチェンジ間の権現山トンネル及び各務原トンネル内では進路変更禁止の交通規制が実施されているところであります。この二つのトンネルは、昭和六十一年の開通当初からの最も古いトンネルであり、供用開始から三十年以上が経過し、経年劣化が見られるほか、構造的にも古い基準で建設されているために路肩部分も狭く、圧迫感のあるトンネルであることは承知しております。
 しかしながら、東海北陸自動車道は、平成三十年度に白鳥インターチェンジから飛騨清見インターチェンジ間の四車線化が完成する予定であることを踏まえると、美濃と飛騨をより快適に結ぶ経済発展のかなめとして、その重要性はますます高まっていくと考えられ、進路変更禁止規制の解除を含めた規制の見直しや、他の安全対策により、安全・円滑・快適な通行の確保を実現していただきたいと考えております。
 そこで、権現山トンネルと各務原トンネルにおける進路変更禁止の交通規制の見直しについては、この本会議の場においてもこれまで何度か質問されておりますが、白鳥インターチェンジから飛騨清見インターチェンジ間の四車線化が完成する予定となっていることを踏まえ、今後どのように考えられるのか、警察本部長にお伺いをいたしたいと思います。
 ここで、三回目の質問を終わらせていただきます。

 

 

 

 

 

 

古田知事の答弁

 

 安全・安心な暮らしの確保という観点から三点御質問がございました。
 まず、国民健康保険事業費の納付金の算定についてでございます。
 この算定方法につきましては、国民健康保険法におきまして、県は被保険者、医療関係者、有識者などから成る国民健康保険運営協議会における審議を経た上で定めるということになっております。この運営協議会におきましては、県内市町村間における医療費水準の格差の状況を分析するとともに、市長会、町村会等の関係者から直接意見を伺う機会も設けながら、本年七月から五回にわたり審議を重ねていただき、先月答申をいただいたところでございます。
 その答申では、県内市町村間の医療費水準の平準化を図りつつ、県単位化という今般の制度改正の趣旨に鑑み、将来的には保険料水準の県内での統一を図っていくことが望ましいというふうにされております。
 その一方で、平成三十年度からの当面の納付金算定につきましては、県内市町村間に医療費水準の格差が生じている現状では、これを反映させないことにすると、医療費水準の高い市町村から低い市町村への負担の転嫁が生じ、医療費水準の低い市町村において保険料水準の急激な上昇を招きかねないということから、市町村ごとの医療費水準を反映させることが適当であるというふうにされております。
 この答申内容でございますが、慎重かつ丁寧な審議を経て、全会一致により決定されたというふうに承知をしております。県といたしましても、これを尊重し、当面の納付金算定につきましては医療費水準を反映させることが適切であるというふうに考え、本議会に条例案を提出した次第でございます。
 次に、障がい者に対する積極的な県政情報の提供ということで御指摘がございました。
 御指摘がありましたように、県政の理解を深めていただくためには、障がいのある方も含めて、誰もが県政情報を支障なく入手できる体制を整えることが必要であるというふうに考えております。
 現在、県としては、平成二十七年三月に、岐阜県障がい者総合就労支援プランというのを決定しておりまして、これに基づいて、県の広報紙や県の公式ホームページ、テレビ・ラジオによる県政番組を通じて、障がい者の特性に応じた情報提供に努めてきているという状況でございます。
 具体的に申し上げますと、県の広報紙では、視覚に障がいのある方に御利用いただけるよう、既に昭和五十年から点字版を、平成元年からは音声版を作成しております。また、昨年度からは、全国で唯一の取り組みでございますが、音声読み上げソフトに対応可能なテキストメールを配信しております。これらは希望される全ての方に御利用いただいておるということでございます。
 また、県の公式ホームページでは、視覚・聴覚に障がいのある方に御利用いただけるよう、平成二十三年から、ボタンをクリックするだけで文字の拡大、色の変更、音声の読み上げができる環境も整えております。特に私の定例記者会見につきましては、生中継は行っておりませんけれども、記者との質疑応答も含め、会見の二日後にはホームページ上で閲覧することも、また音声の読み上げで聞いていただくことも可能となっております。さらに、聴覚に障がいのある方のために、県政広報テレビ番組では字幕の表示を、ラジオ番組では番組ホームページへの放送内容の掲載などの環境を整えております。
 ただし一方で、県公式ホームページ以外の外部サイトで制作されておりますホームページでは音声読み上げ対応ができていなかったり、あるいは県政広報番組以外のテレビ番組の多くが字幕つきでなかったりということで、視覚・聴覚の障がいのある方への配慮がまだ十分でない場合もございます。こうしたことについては、早急に対応してまいりたいというふうに考えております。
 また、昨年度のセミナー、シンポジウムなど県主催事業で手話通訳を活用した実績は三十三件ということでございますが、さらなる活用を図るほか、県が作成するチラシ、パンフレットの内容を県公式ホームページへ掲載し、音声読み上げ対応にしていくことについても検討してまいりたいというふうに考えております。
 現在、来年度から始まる第二期岐阜県障がい者総合支援プランを策定しているところでございますが、今後、広報部門、情報部門、福祉部門等、県庁内の関係部局による推進チームを立ち上げまして、今申し上げましたような具体的対応策を検討し、この第二期プランに盛り込んでまいりたいということでございます。
 次に、子育て支援という中で、病児保育の充実ということで御質問がございました。
 本県では、女性の就業率がこのところ年々高まってきておりまして、お子さんを保育所に預けて働く女性がふえてきております。そうした中で、市町村と連携した取り組みにより待機児童はほぼ解消されましたが、一方で、子供が体調不良になった場合などに自宅で保育することが困難な御家庭にとりましては、医療機関や保育所で病児を預かる病児保育も子育てと仕事の両立に欠かせない保育サービスでございます。現在、県内では三十八市町村で病児保育が利用できますが、保護者が安心して働くためには、対応できる施設の拡大、あるいは利便性の向上など、いつでも病児保育を利用できる環境づくりをさらに進めていく必要がございます。
 病児保育の実施方法としては、医療機関に保育機能を付加する方法と、保育所に看護師を配置する方法がございます。まず、病児保育を行っている医療機関でございますが、県内では十八カ所ございますが、さらに市町村や保育所等とも連携をして、空白地域を中心として新たな実施機関を開拓してまいりたいと思っておりますし、既に実施している医療機関につきましても、当日でも予約なしで利用できる体制づくりなど、保護者の利便性をさらに高める方策について検討してまいります。
 また、体調不良となった子供をすぐ迎えに行けない親御さんを支援するため、ファミリーサポートセンターがお子さんを保育所から医療機関まで移送するサービスを提供する場合に、これを支援する仕組みがございますので、市町村に対してその活用を積極的に促してまいりたいと思っております。
 次に、保育所への看護師の配置でございますが、現在この方法により病児保育を行っている保育所は県内で九カ所にとどまっております。ただ一方で、比較的大規模で、アレルギー児への対応などのため、既に看護師を配置している保育所は四十五カ所ございます。まずはこうした保育所への病児保育の導入を図ってまいりたいというふうに考えております。
 このような病児保育の取り組みは、市町村が国や県による支援の仕組みを活用しながら、それぞれの地域の実情に応じて事業を選択し、あるいは組み合わせて行っていただくものでございます。このため県としましては、市町村に対して体制の整備を働きかけるとともに、病児保育の取り組みの検討が進んでいない市町村におきましては、県も参加する形で、市町村、医療機関、保育所などの関係機関との連携会議をそれぞれに立ち上げまして、地域の実情に応じた体制づくりを進めてまいりたいと考えております。

 

 

酒向仁恒都市建築部長

 

 住宅の耐震化に向けた取り組みの推進についてお答えいたします。
 本県では、木造住宅の割合は全国平均に比べ高いことから、木造住宅の耐震化を重点的に進めてまいりました。これまで、県内全市町村と連携して、身近な専門家である木造住宅耐震相談士の養成や相談会の開催、各戸訪問等の啓発活動のほか、全国で最も高い額の耐震改修工事費補助を行ってきました。
 しかしながら、耐震化の必要性を感じない、工事の進め方がわからない、工事費の負担が大きいといった理由から住宅の耐震化が大きく進んでいるとは言えない状況です。そのため、県内各種団体・企業などに御協力をいただき、きめ細やかな啓発活動を行うとともに、今年度、新たに耐震改修の事例集を作成し、各種相談会等での活用を図っているところです。また、一部の金融機関においては、耐震改修工事費に対する貸付金利の優遇策も講じていただいております。
 今後は、これまでの取り組みに加え、リフォームにあわせて耐震改修が実施されるよう、窓口となる工務店を対象とした講習会の開催など、より効果的な啓発活動による耐震化の促進を図ってまいります。

 

 

 

森岡久尚健康福祉部長 

 

新たな国民健康保険制度への対応に関し、医療費の適正化に向けた取り組みについてお答えいたします。
 国保医療費を含む本県の医療費は増加傾向にあり、国民皆保険を堅持し続けていくためにも、医療費の適正化が必要です。平成二十五年度からの第二期岐阜県医療費適正化計画では、特定健診受診率向上など予防対策を重点的に取り組んでおり、平成二十九年度の医療費は、計画策定時の推計値より抑制される見込みです。
 現在策定中の来年度から始まる第三期計画では、第二期計画からの課題である特定健診受診率の向上などに加え、新たに生活習慣病の重症化予防対策や医療の効率的提供の観点から、医薬品適正使用の推進を重点目標に位置づけることとしております。具体的には、糖尿病重症化による人工透析等への移行を防止するための保健指導プログラムや、かかりつけ薬剤師・薬局の普及策を盛り込んでまいりたいと考えております。
 さらに、医療費適正化を効果的に進めるためには、医療保険者、市町村、関係団体の協力が不可欠であることから、これら関係者が参加する岐阜県保険者協議会との連携を図ってまいります。
◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 保育所における感染症対策ガイドラインの市町村への周知についてお答えします。
 保育所における感染症対策ガイドラインは、乳幼児期の特性を踏まえた感染症対策の基本を示すことを目的に厚生労働省から示されたものであり、全国の保育所において広く活用されています。
 保育中に感染症の疑いがある児童を発見したときは、本人の体調管理に加え、周りの児童などへの感染拡大を予防する観点も重要であることから、保育現場においては、ガイドラインで示されている基準を踏まえつつ、退園の措置を早目に行う傾向にあります。
 これを改善するため、先ほど知事がお答えしましたとおり、保育所への登園後に体調不良となった場合でも、引き続き保育所で病児保育を行うことができるよう、看護師の配置を進めてまいります。このほか、ガイドラインにつきまして改めて周知を図るとともに、保育士が保育の可否を判断する一助となるよう、来年度から実施予定の保育士を対象としたキャリアアップ研修において、保健衛生の専門家からガイドラインに示されている保育が可能な場合の具体例などを学ぶ機会を提供してまいります。

 


山本有一警察本部長 

 

東海北陸自動車道内のトンネル内の交通規制の見直しについてお答えいたします。
 各務原及び権現山の両トンネル内は幅も狭く、不用意な進路変更に伴う事故の発生が懸念されることなどから、進路変更禁止の交通規制を継続してきたところでございます。このような中、白鳥インターチェンジ以北の四車線化が完成することとなりますが、過去の四車線化の実績から、交通量や交通事故の増加等につきましては、今のところ急激な変化はないものと考えております。
 したがいまして、県警察といたしましては、今後、道路管理者であるNEXCO中日本と協力いたしまして、両トンネル内における視認性の向上、各務原トンネルにおける有事の際の避難連絡通路の増設などの安全対策が整った段階で、交通量、交通事故状況及び冬期の渋滞状況等を考慮し、進路変更禁止規制の解除を検討したいと考えております。

 

 

 

 

尾藤義昭第4回目の質問


最後に、未来を担う人づくりについてとし、いじめ問題について二点をお伺いいたしたいと思います。

 

まず、いじめ事案の積極的な把握に向けた取り組みについてであります。
 文部科学省が十月に発表した全国の小・中・高等学校、特別支援学校を対象にした平成二十八年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果によると、平成二十八年度におけるいじめの認知件数は、小学校において前年に比べ一・六倍と大幅に増加したこともあり、全体では約九万八千七百件の増となり、約三十二万四千件と過去最多を更新しました。
 本県では、昨年度と比べ百五十件の減となる三千四百四十二件、千人当たりでも十四・九件と全国平均の二十三・九件を下回ったものの、全国的な傾向と同じく、小学校では増加となっております。
 今回、全体で大幅増加となった背景には、今回の調査から、けんかやふざけ合いといった事案も、一方的なものであればいじめに含めることとされるなど、文部科学省がより積極的な把握に努めるスタンスに方針転換したことも影響したと思われますが、児童・生徒千人当たりで見ると、京都府の九十六・八件から香川県の五件と十九倍もの差があるほか、認知件数がゼロの学校が全体の約三割を占めるなど、見逃された事案も少なからずあると懸念されるところであります。残念ながら、いじめは多くの学校において存在すると言わざるを得ないと考えます。
 今回の調査では、全国で昨年度に自殺した児童・生徒二百四十四人のうち十人がいじめに遭っていたことも明らかにされたところであり、いじめが放置・隠蔽されることで自殺という最悪の事態を招くことのないよう、軽微と思われがちな事案でも、児童・生徒の目線に立ち、学校や保護者のほか、地域、行政が早期にいじめを認知し解決に取り組む姿勢が求められているところであります。
 いじめの認知件数が最も多い京都府では、いじめを早期に発見するため、年二回のアンケート調査を実施しているほか、回答を選択式とするなどの工夫も見られますが、私は、いじめの認知件数が多いことは決して荒れた地域であることを意味するものではなく、いじめ対策により積極的に取り組む地域であると考えており、今回の調査でいじめが認知されなかった学校に対しても検証を仰ぐなど、認知漏れを防ぐ取り組みも必要と考えております。
 そこで、今回の調査結果によると、本県では、いじめの認知件数は減少に転じたとの結果でありましたが、調査結果に対する認識及びいじめ事案を積極的に把握するための取り組みの状況と今後の取り組みについて、教育長にお伺いをいたします。


 最後に、いじめ事案へ対応するための専門組織の設置についてお伺いいたします。
 私ごとで大変恐縮ですが、私が中学校当時に受けたいじめは本当に陰険なものでありました。学校が終わると相手の家へ呼び出され、理不尽な暴力を受けました。また、無理やりたばこをくわえさせられたり、飲酒を強要される、断れば自宅まで押しかけられ玄関の戸をたたく、あの恐ろしさは今も忘れることはできません。先生に言えば復讐されるし、また、心配をかけたくないとの思いから親にも到底相談はできませんでした。もっと強い人間に育ててくれればよかったのにと、逆に親を恨んだときさえありました。
 いじめのつらさや苦しみは、いじめを受けた子供にしかわかりません。大変失礼な言い方かもしれませんが、今の先生方の大半は、えてしていじめをした経験もなければ、被害を受けた経験もないのではないかと思います。その先生方に、子供のつらい気持ちが本当に伝わるのでしょうか。いじめを受けている子供に頑張りなさいと言っても、何をどう頑張ったらいいのか考える余裕などあるはずもありません。
 今から二十三年前、愛知県西尾市で十五歳の少年がみずから命を絶ちました。その後、ある新聞のコラム欄に四十五歳の女性の方が、「いじめぐらいでなぜ死ぬの。もっと命を大切にして強い人になってほしい」という投稿がありました。私も全くそのとおりと同感しました。しかし、その少年がどれほど苦しんでいたことか、どんなに悲しんでいたことか、十五歳という希望に満ちあふれているはずの中学生が、なぜみずから命を絶たなくてはならなかったのか、そうした子供の気持ちが全く理解できていないのが今の社会であると思います。
 私は今までに、私の受けたいじめ以外にもさまざまな問題に直面しました。水筒に石けん水を入れられ飲まされた事案、女の子が木に針金で縛られカッターナイフを突きつけられた事案のほか、携帯に送信された「うざい、きもい、死ね、死ね」といったメールも見ました。
 またあるとき、中学生が並んでたばこを吸っていた姿を見て、学校へ報告したことがありましたが、そのとき一緒にいたPTA役員の一人が、私たちの学校にはそんな子供はいませんの一言で終わってしまいました。私は、今のうちに彼らに対して思いやりのある指導をすることが教育ではないかと話しましたが、どうすることもできませんでした。数年後、彼らの中の一人が殺人事件を起こし、取り返しのつかない問題となりました。だからこそ私は、いじめであろうとなかろうと、早く発見し、的確に指導することこそが子供たちの健全な成長にとって最も重要なことと思ってやまないのであります。
 特に最近はSNSを使った陰湿ないじめが増加傾向にありますが、それらは把握が困難であること、さらには学校で暴力を振るう子供が増加傾向にあることなどを踏まえると、対策の一層の強化が必要と考えます。
 本県では、いじめ問題への対応としてスクールカウンセラーの配置を進めており、既に全公立学校への配置が完了したところでありますが、多忙化する教員の勤務環境や暴力事案の増加、あるいは学校内でおさめてしまおうという学校組織の体質も考慮すると、学校現場だけに任せておくことには限界があると考えます。
 そこで、暴力を伴う事案にも対応するため、凶悪犯罪を専門に扱う捜査一課、金銭犯罪などを専門に扱う捜査二課を設置する岐阜県警察の組織を参考にし、教育委員会内部に警察OBや弁護士といった専門家も活用した常設の組織を設置し、いじめに関する情報が入れば、即学校に赴き、相談から解決に至るまで、いじめ事案を専門的に扱うチームを整備することも有効な手だてと考えており、ぜひとも検討いただけないかと考えております。
 かつて、本県でも瑞浪市の女子中学生がみずから命を絶つという悲しい出来事がありました。こうしたことを二度と繰り返さないためにも、小さなSOSの叫びを大人たちはいち早く知るべきであります。
 そこで、子供の目線に立ったいじめ問題への対策を強化するため、教育委員会内にいじめ問題を専門的に扱う組織を設置することについて、教育長の所見をお伺いしたいと思います。
 かわいい子供たちの将来のために、私はあえてみずからの恥を忍んで質問しました。子供たちのために、真っ向、向き合って、健やかな教育をしていただけますように特にお願いをいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

 

 

 

松川禮子教育長の答弁 

 

未来を担う人づくりについて二点御質問がありました。
 初めに、いじめ事案の積極的な把握に向けた取り組みについてお答えします。
 本県のいじめ認知件数は、全体としては平成十九年度から徐々に減少しておりますが、小学校については二十三年度から増加傾向にあります。今回の調査でも小学校の認知件数は増加しており、これは、けんかやふざけ合いでも、児童・生徒の被害意識に着目して判断するという認識が、教員だけでなく保護者にも浸透した結果と考えております。また、小学校での暴力行為増加も顕著で、これは同一児童による繰り返し事案を漏れなく認知したことによるものです。
 県教育委員会では、独自に年三回、各学校のいじめアンケートや職員研修の実施状況、前年度に発生したいじめ事案への対応状況などを調査し、指導しております。今後、こうした指導の徹底に加え、スクールカウンセラー、いじめ・不登校等未然防止アドバイザーの派遣拡充など早い段階から的確にかかわりを持ち、いじめの積極的な把握に努めてまいります。
 次に、いじめ事案へ対応するための専門組織の設置についてお答えします。
 県教育委員会では、生徒指導、問題行動、いじめ等に専門的に対応するため、平成二十七年度に学校安全課を新設するとともに、学識経験者、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、精神科医、弁護士といった専門家による生徒指導スクールサポートチームを現場に派遣する体制を整備いたしました。平成二十八年度からは、県警察の併任職員を配置いただいており、専門知識を生かし、重大事案の未然防止や発生時の迅速な対応等に活躍いただいているところです。加えまして、本年度には、生徒指導を担当する管理職を一名増員して二名体制といたしました。現場につきましても、暴力行為の増加を受け、本年度、暴力行為等防止支援員制度を新設して、経験豊富な校長OBなどを任命し、児童・生徒に寄り添い対応しております。
 議員御指摘のとおり、深刻な暴力行為や、その他犯罪につながるような行為を含むいじめは絶対許してはならないものでありまして、これに対しては毅然として対応すべきと考えております。今後、そのようないじめに対しては警察と一層緊密に連携し、現場対応を強化してまいりたいと考えております。
 

 

尾藤義昭再質問

 

ただいま教育長から御答弁いただきましたが、私が何が言いたかったのか、そしてまた何を聞いていただきたかったのか、いま一度、その辺の御答弁の中に一抹の寂しさがありました。
 本当に岐阜県から、岐阜県の学校からいじめをなくしていく決意があるのかないのか、教育長の一度思い切った考え方を聞かせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 

松川禮子教育長の答弁 

 

再度お答えさせていただきます。
 先生の御経験に基づく御質問は大変感動的なものでありまして、私も心にしみております。ただ、県教育委員会といたしましても、従来学校支援課の中で対応していたものを、新しい学校安全課という組織をつくり、県警察の少年課から併任の職員を学校安全企画監として来ていただいて頑張っていただいております。
 このいじめの問題、特に深刻な問題が学校現場だけでは対応できないということも十分理解しております。そういうことに対して力いっぱいやっていく所存でございますので、何とぞ御理解をいただきたいというふうに思います。

 

 

 

 

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